本ページでは、これまでのクレワン・グランプリ歴代受賞企業様について、
受賞商品やクレワン・グランプリについてお話いただいたインタビュー内容を掲載しております。
本業として造園業を営んでおり、その傍らでレモン栽培を行っていましたが、本業の忙しさからレモンの消毒作業などに手が回らず、農協(農業協同組合)が集荷してくれないという問題が発生しました。
こうした中、この大量のレモンをどうにかするため、自社で加工・販売する道を模索し始めました。
特に、余ってしまうレモン果汁を活用する方法として、昔流行した「レスカ(レモンスカッシュ)」を販売することを思いつき、そのための会社として「(株)瀬戸内プラスファイブ」を設立し、農作物を加工し、商品化して販売することとしました。
現在、レモン、ゆず、橙(だいだい)を使用したポン酢の開発にも取り組んでいます。
「プラスファイブ」という社名には、販売力や企画力など5つの要素を足し合わせるという意味が込められています。また、農家が生産(1次産業)、加工(2次産業)、販売(3次産業)を一体化して行う「6次産業」を目指すというコンセプトも含まれています。これは、5つの取り組みを行って6次産業化を実現するという意味合いです。
会社設立から10年以上が経過しており、おかげさまでレモンスカッシュの販売も続けられています。
この商品のコンセプトは、「女性と子供が好む味にすること」でした。開発にあたっては、大崎下島の豊町で採れた無農薬のレモンを生かすかという点から始まり、瓶で開け閉めができるキャップ付きの清涼飲料水として販売することになりました。
商品名の「ジャン・レモンスカッシュ」は、広島の方言「美味しいじゃん!レモンスカッシュ」から来ています。イラストレーターと相談し、私(北村正次社長)を模したイラストの雰囲気がジャン・レノ氏に似ていることから、後付けでその要素も掛け合わせています。
ジャン・レモンスカッシュの最大の特徴は「飲みやすくて美味しい」点です。他のレモンスカッシュと比べて、レモンの果汁加工の際に、傷もののレモンを徹底的に手作業で選別し排除していることが挙げられます。
他業者が行っているような、レモンの良し悪しに関わらず全て潰してしまう方法とは異なり、手作業で悪いものが混じらないようにして、より美味しい果汁となるようにしています。
クレワン・グランプリへのエントリーは、商工会からの推薦が大きなきっかけでした。
元々、クレワン・グランプリは知っていても、仕事が忙しく、応募にまで至りませんでしたが、ちょうど私が前年度から呉広域商工会の副会長を務めており、イベントを盛り上げるためにもぜひ出品したいと思い、エントリーしました。
クレワン・グランプリに出品することで、商品に対する宣伝活動を一生懸命頑張るきっかけになり、良い経験になりました。
ひろしま夢プラザや銀座TAUでの催事出品により、知名度が高まるメリットもあり、知人が遠く九州から投票に来てくれるなど、周囲からの応援を得られる機会にもなりました。
クレワン・グランプリは賞金こそありませんが、トロフィーと賞状が授与される賞レースのような「面白さ」があると感じています。
また、バイヤーが集まる商談会に参加し、バイヤー評価の機会を得られたりするため、販路開拓やアドバイスを直に得られるメリットもあります。
グランプリを受賞したことによる大きな変化は、すぐには感じられませんが、受賞によって商品への関心が高まり、大手のスーパー・モールなどから商品を取り扱いたいというご相談をいただいています。
広報面では、地元のタウン誌である「くれえばん」に、2ページほどの大きな特集を組んでもらえることになりました。
テレビなどのメディアで紹介された時に「紹介されていたね」などといった連絡があったりします。
商品自体は既に10年ほど販売しているため、この受賞が急激なブームのきっかけになって販売数が伸びたというわけではなく、商品の信頼性を高め、宣伝を強化する役割を果たしています。
クレワン・グランプリが今後さらに盛り上がるためには、参加者にとってのメリットを増やすことが必要です。
「受賞者に対して賞金を出す」といった直接的なメリットももちろんですが、例えば、「この商品をこれだけ売る販売ルートが確保できる」といった具体的な販路を保証する仕組みがあれば、さらに多くの事業者が参加するようになると思います。
今後の会社の展望として、(株)瀬戸内プラスファイブを基盤とし、農作物の加工や商品化だけではなく、生産も含めた農業経営全般をこの会社に集約していきたいと考えています。
最終的には、生産から加工、販売までを一貫して行う体制を構築したいという目標があります。現在取り組んでいるポン酢開発のように、加工事業の分野もさらに広げていきたいと思っています。
また、地元の呉市エリアを中心に、農地を守っていく責任も感じており、米作り以外の農業経営の成功例を示すことで、地域農業に貢献していきたいと考えています。
自社で生産から加工・販売までを一貫して行うことで、安定性が増し、法人として信頼感が高まり、他社との取引もしやすくなるというモデルケースになることができればと思っています。
元々ピザが好きでよく食べていましたが、あるとき、ナポリから認定されたナポリピッツァというものを食べて感動し、これを呉の人にも食べてもらいたいと思いました。
呉にもナポリピザのようなピザのお店はありましたが、本物とはあまりにも差がありすぎて衝撃だったので、本物のナポリピッツァが食べられるお店を呉に作りたいという気持ちから、お店を出すことにしました。
自衛官として働いている時から、誰もやっていない事、何か手に職をつけたいという思いが常にあったので、ナポリピッツァを食べて感動して、作っている姿を見て感動して…これだ!と思ってすぐに迷うことなく退職しました。
28歳で退職した後、色々なお店を食べ歩き、飛び込みで働かせてもらったり、ナポリ研修にも同行しました。
貯金をはたいて何度もナポリに通い、かっこいいなと思うピッツェリアに行っては辞書を見せて「働きたい」とお願いしていました。そんなところからスタートし、自分で道を切り開いていきました。
その後、2010年に焼山でお店を始めました。生活する中で、お店と家を一緒にしたいと思うようになり、物件を探して、2017年に今の場所に移転しました。
こういった感じのピザ屋さんは呉になかったので、ドライブがてら食べに来てくれる人も多く、イタリアを知っている方はすごく感動してくれました。
以前はパスタも出していましたが、移転してからピッツェリアと名前につけピザ専門店として勝負しています。
店名の「ナリポ」はナポリと成本(なりもと)の両方から名付けました。
ピザづくりのこだわりは、ナポリで教えてもらったそのままの技法で行っていることです。チーズなども現地のものを使い、中途半端な食材は使わないようにしています。
「ナリポの揚げピザ」とは、いわゆる「ピッツァフリッタ」といわれるもので、ピザ生地に具材を詰めて包んで揚げたものになります。
お母さんたちが街角で作っていたそうで、窯で焼くナポリピッツァよりも歴史が古いと言われています。
最近では、ナポリでも専門店がどんどんできていますが、そういったファストフード的な感覚で、2014年頃からナリポでもイベントで出店するようになりました。
クレワン・グランプリには、普段お店で出しているものとは違うイベント用のサイズで、色んなバリエーションがある中から、「呉産牡蠣とシチリアアンチョビ」をチョイスしてエントリーしました。
牡蠣のシーズンで作るイベントでも人気の商品です。
他のバリエーションとしては、例えば、呉にあるお店15店舗分の食材を入れて作ったナリポの揚げピザなどがあります。
呉グルメフリッタ祭り(物産展)と題してお店で販売し、450が1時間強で完売しました。
一度、正式なコンテストなどに出してみてどう評価されるかを見てみたかったという思いと、通販もしているので、「ナリポのピッツァフリッタ」にひとつ箔をつけたいという思いがあり、エントリーしました。
Instagramでお店のことを知ってもらっている方が増え、東京のアンテナショップ「TAU」のテスト販売では、SNSでの呼びかけもあり、普段の客層とは違うお客さんに購入していただけました。
個人のお店の生産量では、限られた数しか作れませんので、たくさん売れると大変な面もありますが、小売業の方々などはどんどん利用されると良いと思いました。
クレワン・グランプリをブランド化して、知名度を↑げて、どんどん力を入れて盛り上げて欲しいですね。
イベントなどの開催も期待しています。
「ナリポの揚げピザ」として出していますが、ちゃんとした名称はまだ決めることができていません。
いずれ専門店を作りたいという思いもあります。
「ピッツァフリッタ」という正式名称はありますが、どこにいっても「ピッツァフリッタ」なので、将来専門店を出したとしても他のお店と同じになってしまいます。
差別化として今年から、ピザの丸い形を太陽と見立て、ピッツァフリッタの形は半月型だから月と見立てて「三日月フリッタ」という別路線で一人歩きさせようかなと思っています。
月ごとに名称をつけて、呉のコラボ店の食材を入れたり…という展開を考えています。
ナリポさんが次に何の食材、どのお店とコラボをするだろうという期待値があると思うので、みんなの想像を超えられるようなものを出していきたいと思っています。
呉でしか食べられないもの、呉の名物にしていくと宣言しています!
子どもから大人まで楽しめる、観光しながら食べ歩きもしてもらえるということからたくさんの方々に知ってもらえる名物にして、手軽に食べられるフリッタでお店を知ってもらい、ピッツァを食べに来て欲しいと思っています。
ナポリでは5年前から専門店ができているので、日本でも10年以内にはできてくると思います。
最近、呉では浸透してきているなと実感しています。
元々コーラが好きなのですが、子供の頃から「体に良くない」と言われていました。
しかし、コーラのルーツを辿ると、健康のために医薬品として開発されたということを知り、それならば本来の役割が果たせるようなものを作りたいと思うようになり、これまでの商品開発経験から、レモンと合わせて作りたいと考え、開発を始めました。
コーラといえば炭酸のイメージですが、炭酸ではなくホットで飲んでも美味しいし、ミルクで割ってチャイにしても美味しい、スペアリブなどに入れて煮込むと香辛料が効いて高級な味にもなる、できる限りたくさんの原材料を使って複雑な味わいの他にはないものにこだわりました。
最初は原材料が5種類くらいからスタートしました。
それでもコーラの味は出せましたが、レモンやみかんの果汁・皮などをいろいろ加えながら、柑橘らしさをどう出していくか、大人向けのピリッとした感じをどう出していくか、などといったことを考えて開発していくうちに、どんどん原材料が増えていきました。
原材料の役割や効能なども調べながら加えていき、最終的に20種類まで増えました。私は気管支が弱いのですが、ちょっと調子が悪いときにも飲んでいます。
お菓子を食の一部としてとらえ、贈り物に「お菓子だけでなくドリンクが一緒に入っていたら嬉しいよね」という思いから、レモンシロップを作っていました。
新商品として、コーラとピンクレモネード(赤しそ入り)のシロップを作ったタイミングでコーラのシロップをエントリーしました。
クラフトコーラブームもあって、好評です。
東京の「DEAN&DELUCA」からもお問い合わせがありました。イベントなどに出しても良い評判です。
手作りっぽい雰囲気でレトロな感じにしました。手触り感などもこれから改良を加えていきたいと思っています。味の前にまず見た目が大事、音楽のチューニングと同じで、見た目と味にズレがあると違和感が出ると思っています。商品を手に取る人が迷ったとき、手に取るかどうかの差にもつながると思うので、自分が納得のいくものを作りたいと考えています。自分と波長の合う人に買ってもらいたい、そのためにチューニングを合わせることが大切になると思います。
元々、有限会社セニアという母体となる会社があり。その会社のoemの仕事が主体となっていたため、自社商品を持っていないという状況の中で、自社商品を作りたいという思いから、最初に「レモニカ」という商品を作りました。
イカの姿フライの揚げる前の下地を作っている粉末原料を煎餅状にする工場で、イカの形をしている姿フライを、「結局、割って食べるのであれば最初から食べやすい形で商品にしてはどうか」と考えから、四角い形状にした商品が「レモニカ」という商品でした。
パッケージにもこだわり、オシャレ路線で販売してみましたが、普通のイカ天の価格帯(5枚で100円程度)に比べて高い(6枚分で300円)、また、どこの商品かも何かも分かりにくいなどといったご意見をいただき、地元のスーパーなどからは評判があまり良くありませんでした。
その後、原点に戻り、「うちってやっぱり姿フライなんだな~」と考えた時に、姿フライは全国で売られていても、それが広島の呉で作られているということはあまり知られていないのではないかと思いました(実は、姿フライに限っては100%呉で作られています)。
ということで、「呉で作っているイカ天はこれ!」ということがわかりやすい「呉イカ天」というネーミングで、取引のあるおいしいイカ天の2種類「さきイカタイプのピリ辛味」「しっとりタイプの醤油味」をセットにした商品を作りました。
2019年頃からお土産品として発売しましたが、販売開始1年ほどでコロナ禍となり、売り上げは伸びませんでした。
しかし、「瀬戸内おみやげコンクール2020(菓子・スイーツ)優秀賞」を受賞し、G7の際は、プリンスホテルの部屋のおつまみにも選ばれ、少しずつ売上も伸びるようになりました。
呉広域商工会様からご紹介いただき、エントリーをすることにしました。
「オッコニカ」という商品の種類が増えました。
呉の伝統野菜のキャベツ(広甘藍)を練りこんだ、まるごとお好み焼きなイカフライで、キャベツの甘味とお好みソースの味がマッチしたイカ天です。
おっこん(お好み焼き)とイカで「オッコニカ」とネーミングしました。
広甘藍は無農薬で作るため、3割ぐらいは商品として販売できず廃棄されるというニュースを見て、もったいないと思い、ニュースに出ていた知人の農家に連絡し、キャベツを使えることになりました。
その後、大手が作らない米粉のイカ天に挑戦するなど、幅を広げています。
東京にある広島のアンテナショップ「TAU」で扱ってもらえるようになることがが魅力的です。
実際にTAUに置かれている商品は、「イカ姿フライ」の呉イカ天と、「オッコニカ」ミニのみとなっており、3つセットではありませんが、1つの商品だけでも定番商品になっていることは、クレワン・グランプリのおかげだと感謝しています。
これが「呉のイカ天」だということをもっと知ってもらいたいと思っています。
<昔ながらの味を変えず、子どもから大人まで愛される味“極旨”>
呉のイカ天の母体は、広の「大塩するめ」というメーカーです。
そこから派生して色々なメーカーが生まれました。
サキイカなどの端材を活用するため、すりつぶして小麦粉と混ぜて煎餅状にし、姿フライが生まれたのではないかと言われています。
「レモニカ」から路線を変えて、昔ながらの雰囲気と、呉のレンガ倉庫のイメージにしました。
呉イカ天がメジャーになってきたので、新しいバージョンを考えており、近々発表予定です。
米粉バージョンでも色々な味に挑戦していきたいと思っています。
1995年に「アラビアンナイト」というお店を立ち上げ、創業しました。
アレルギーがあるため、体に優しく、地元食材を使ったパンとお菓子を作り始めました。とにかく、地元で添加物を使わないものを作りたいと思っていました。
そんな中、とびしま街道の橋ができたことで、柑橘農家とのつながりができ、「レモンを捨てるんだけど使ってくれないか」というご相談を受けるようになりました。
こうして、柑橘農家の方々とのつながりが広がり、レモン商品が増えていきました。
柑橘農家の中で、みかん農家がレモンも一緒に植えていることが多く、みかんは加工に向いていませんが、レモンは加工向きな果物で販路が異なるため、みかん農家はレモンの扱いに困っていました。
そこで、レモンの加工業者を集めて柑橘農家とのつながりをつくり、商品開発を行うようになりました。
みかん農家は、高齢化や収穫時期の多忙さ、イノシシなどの害獣被害も多いなど、様々な課題を抱えていましたが、みかんとは異なり、レモンは、「イノシシや鳥が食べない」「大量に作らなくても加工品にできる」「収穫時期も長くロスが少ないため収入も安定している」といった良い部分が多いことを伝え、レモンをどんどん作りましょうという方向になっていきました。
15年前はレモンを使った商品が多くありませんでした。大手メーカーからレモンケーキが販売されていましたが、レモンの形をしているだけで、レモンの味はしませんでした。
そこで、まず、レモンケーキにレモンジャムを入れた「とびしまレモンケーキ」を作りはじめ、そこからいろいろな改良を重ね、現在の大人のレモンケーキにたどり着きました。
「大人のレモンケーキ」は、自社で作っているレモンリキュールのお酒入りで、糖分を落とし、首都圏で販売できるように賞味期限を長くするため、お酒を使いました。レモンブームが起きた影響もあり、全国で人気の商品になりました。
柑橘に関わる事業者や農家の方々と「とびしま柑橘倶楽部」を立ち上げ、レモン商品を広めるため、全国でイベントなどを行っていましたが、その際、賞味期限が長い商品がほしいという声があり、「大人のレモンケーキ」が生まれました。
「とびしま柑橘倶楽部」の立ち上げ当初は、毎週のように、事業者や農家、商工会の方々と会議を行い、みんなとても高い熱量でした。その結果、加工品が増え、レモンのニーズも増え、10年ほど前から農家のレモンが足りなくなるほどになりました。
これで1つの役割を終えたかと思っていましたが、今度は、「農家が足りない」「耕作放棄地」などの問題が発生するようになりました。現在は、未来へ向けて農業のあり方を考えたり、機械化などで栽培方法を変える、などといった活動をしています。
東京にある広島のアンテナショップ「TAU」に商品を置いて首都圏のテストマーケティングを行うことができるので、そこでの反応は次へのステップにつながります。
商品を開発すること自体はとても簡単ですが、その商品が売れるかどうかは別問題です。売れる理由を知るためには、人目に触れさせ、人の意見を聞くしかありません。これまで作ってはやめてを繰り返した商品は1,000種類を超えます。
売れ続けて特産品として根付くためには、タイミングなどもありますが、自社だけでなく色々な方々が取り組んで、次につなげる何らかのメリットがその地域に残らなければなりません。クレワン・グランプリのテストマーケティングは、そういったことを考えるきっかけとなります。
コロナ禍でも売り上げが大きく下がりませんでした。一時的に下がったりしても、コロナ禍が明けて、またすぐに回復しています。クレワン・グランプリのおかげで名前を覚えてもらっていたからかもしれません。
現状、海外の方が買われているかどうかは分からないので、インバウンド向けのレモンケーキも開発中です。フィルムパッケージにして、お子様でも食べられる味にしようとも考えています。
レモンにまつわる課題を1つずつ解決していきたいと思っています。
まず、次に考えている事業は、イノシシ対策につながるジビエ関係の事業です。また、全国の人と苗木をサブスクリプションで一緒に育てましょうという取り組みもしています。自分の木をお世話するために、県外かくる人が増えると、宿泊が増えるなど様々な事業と連携が生まれます。
レモンが繋げる輪は広いと思います。一次産業があってこその二次産業・三次産業...六次産業と繋がっていく、そこをうまく繋げる事業をしていきたいと思っています。
100年後200年後と次の世代にしっかりと繋がるように…。
弊社は、野呂山のふもとにあり、鉄工という名前の通り、溝蓋・グレーチング・水道管などの事業からスタートした会社です。その後、プラスチックの成型も手掛けるようになり、プラスチック製品では、珍味の入っているオレンジの蓋の容器を作っていました。
そこで珍味メーカーとのつながりができました。そのメーカーはイカの姿フライを作っていましたが、手作業だったため自動化する機械を作ってほしいというご依頼をいただき、自動化する機械を開発しました。
そのことが話題となり、他のメーカーからもご相談をいただきましたが、イカの姿フライはほぼ呉で作られているため。機械を売る方向でビジネスを行うと、呉のメーカーに売り切った後は、そこでビジネスが終わってしまうと考え、開発した機械を使って下請けとしてイカの姿フライを作ることにしました。
こうして、鉄工業界から食品業界へ転向することになりました。
その後、イカの姿フライの生産を自動化する機械を改良し、現在の商品づくりにつながっています。
平成元年頃、子どもたちに食べやすい形で健康に良いカルシウムを届けたいという思いから、にぼしをスナック感覚で食べられるようにできないかと考えていました。
そんな中、いりこを鉄板の上でぺちゃんこにすると良い煎餅ができたということをきっかけに、いりこ1匹をそのままつぶして作る「瀬戸の焼きいりこ」が誕生しました。
子どもだけでなく、妊婦さんや歯の弱い高齢の方からもご支持いただき、少しずつ広まっていきました。
「瀬戸の焼きいりこ」は1匹ずつ手焼きでしたが、弊社が得意としている機械による自動化を考案し、細かく砕いたいりこを丸く成型して焼くという大量生産ができるようになりました。
現在の食品加工の技術は、鉄工の時代に培ったプレス技術を使っており。そのため社名に「鉄工」を残しています。
高温・高圧でプレスするという特殊な独自の製造方法で他にはない味わいを作り出しています。
また、「十割」という名前の通り、無添加で100%いりこのみの商品です。
つなぎなしで作ることができることも弊社の技術だと思います。
十割ちっぷすを作ったことがきっかけで、業務用のメーカーが主な取引相手になりました。
いりこチップスの技術を使って、だしパックの原料を作っています。
一度焼くことでより旨味のあるだしになります。
また、「あご醤油味」など、ポテトチップスのシーズニングにも使われています。
「十割ちっぷす」は、現在、原料不足などの事情により休売中です。
ちょうどパッケージを変えて間もない時期に、瀬戸鉄工を代表する商品なので広く知ってもらいたい、また、創業以来ずっと呉で事業を営んでいるので、地元に根付いた商品ということをアピールしたい、といった思いからエントリーすることにしました。
クレワン・グランプリがきっかけで、商品のヒットにつながったと思います。
会社の知名度もあがり、業務用の商品ビジネスにもつながって、業績が大きく上がりました。
今の機械や技術を使って、穀物を使った商品を開発中です。
次回のクレワン・グランプリにも挑戦し、呉発祥のこの技術を使って新たな商品を開発することで、クレワン・グランプリに恩返しができればと思っています。